小学校6年生時の塾仲間の隣家では、そこのご主人が鉄道模型を家中至る所に走らせており、それが見たくて見たくて、塾に行くフリをして、さぼったことも何回かあった。
それはまるで「鉄道博物館」のようで、玄関や台所、トイレまで線路が敷き詰められていた。トンネルや鉄橋の模型も精緻で、そこを蒸気機関車や特急、貨物列車が走っている様は、自分にとっては夢のような空間であり、時間の経つのも忘れて見入っていた記憶がある。
ただ友達のお母さんから母への通報(お宅の子供がウチの子を誘って塾に行かずにお隣さんばかりに行っているので困る、というタレコミ)により、それ以来鑑賞することができなくなったのが残念である。
またその頃は「時刻表マニア」でもあり、変わり映えもしないのにわずかなお小遣いで頻繁に時刻表を購入し、東海道線の駅を東京から静岡まで暗記したり、最北端の稚内駅から最南端の枕崎駅まで日本海沿岸経由で一周するのと太平洋沿岸経由だとどんな電車に乗るのかとか、何日ぐらいかかるのかとか、逆に最南端からだとどうだ、ええい、いったいどっちが早いんだ!とか、あるいは欄外に記載されている名物駅弁を見て、「おぉ釜飯か。うまそうじゃないか、一度喰いたいもんだ」などと早くも妄想気味の一面をみせていたようだ。
さらに電車に乗ると必ずといっていいほど運転士の後ろから、運転技術をチェックていたり、しまいには「おっと今のブレーキングはちょっと遅すぎやしませんでしたか、運転士さん」などと批判していたようだ。
意外にも、かなりネクラな幼少時代だったオット・・・
つづく
ズボラなオットの緻密な旅計画<7>
2006.07.07
目次
閉じる