知ったかぶりをして「右側の席の方がライン川がよく見える」と得意気に指示したものの、こうトンネルばかりでは右側だろうが左側だろうが一切関係ない。「減点1」の評価を下されやや気落ちしているうちに、目的地のケルン駅に到着。駅構内にあるオーデコロンの”4711”の看板が懐かしい。「ケルンの水」を意味するフランス語のオー・デ・コロン発祥の店の番地である。
やはりドーム(大聖堂)は圧巻である。改札を出て真正面にあるドームは、見上げると首が痛くなるほどの威圧的な高さで我々を出迎える。以前海外研修で、1時間弱ほど離れたところに住んでいて、ケルン支店に毎日通っていたので何度も見慣れたはずだが、やはり圧倒されてしまう。高いだけでなく幅も広い。心の準備ができていても鳥肌が立つ。
観光客は、一様にどうにかしてこの大聖堂をカメラに収めるべく四苦八苦している。どんどん後ろに下がっていき、まるで「ムーンウォーク」のようだ。
中に入ると、お目当てのステンドグラスが眼に飛び込んでくる。ただただ荘厳である。しかし一つだけガッカリしたのはティーンエージャーが短パンとタンクトップで入場していることである。今やドレスコードを規制しているのは、バチカンだけになってしまったのか・・・
威厳あふれる世界遺産の中に佇み、時代の流れを感じるオットであった・・・
つづく
ズホラなオットの緻密な旅計画<25>
2006.09.12
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