2016/09/07

ノエルの足跡3 犬は飼い主に似る?!

アイメイトを持ちたいと思っている人は全国にとてもたくさんいます。
希望者は協会の方の面接を受けなければなりません。そこでその人の体格や性格歩き方や生活状況などを調べるのです。人にも性格があるように、犬にもそれぞれの個性があります。いくら体の大きさが合っても性格の合わないペアを組んだのではうまくいかないのです。だから、申し込みの早かった人が先に歩行指導を受けられるとは限りません。
私が面接を受けたのは昨年の7月、つまりサリーとベルがいなくなって3カ月目のことでした。「盲導犬を持ちたい」という漠然とした思いはそれより数年前からあったのですが、思い切って行動に移すチャンスを逃し続けていたのです
面接のとき協会の方は
「今の所、あなたと愛唱の合う犬がいないようなので、おそらく何ヵ月か待っていただくことになると思います」
とおっしゃいました。ですから、こんなにも早く、8月の内に訓練が決まったときは、正直言って唖然としました。
さて、ノエルと私の愛唱は・・・?
ご飯のおかげで少し心を開いてくれたノエルは、それから少しずつ甘えん坊になっていきました。
部屋で机に向かって手紙をかいていたりすると、横のノエルのハウス(ベニヤ板を2枚直角に組み合わせたもの)から前足が伸びてきて、私の足をとんとんとたたくのです。
「どうしたの?」
そばへいくと、おなかをみせてごろりと寝ころんで、頭をすり付けて来ます。訓練で仕事がよくできたときに「グッド、グッド」と誉めると尻尾をぶーんぶーんと振ります。
逆に叱られたときはとてもしゅんとしてしまうのでした。
あるときは服従訓練でふざけすぎて、Sさんにこっぴどくぶたれたのです。するとノエルは、完全「ブルーモード」に入って、その日はずっとうずくまって寝ていました。
こういうノエルの性格は、まるで自分を見るようでした。
私も誉められれば調子にのってはりきってしまいます。でも失敗をしたり叱られたりシタときは、ががーんと落ち込んでしまうのです。おまけに、訓練を終わって宮崎に帰った私に、母が言ったのです。
「落ち着きがなくて、ひっくり返ってばたばたして、人にべたべた甘える所がAMIの小さいときにそっくりだよね」(苦笑)
でも私がいちばん驚き、いちばん自分に似ていると思ったのは、ノエルが「夜型わんこ」だったことです。
昼間はくーくー寝ている癖に、最後の「ワンツー(トイレ)」が終わって部屋の電気を消したとたん、ハウスから「ばたばた」「がさがさ」「ぶるぶる」と
騒音が聴こえて来るのです。1日数キロの路上訓練と暑さのため私は疲れきってすぐに眠ってしまいたいのに。
私はベッドから飛び降ります。ノエルに止めなさいと言いにいかなくては!
ところが!私が動く気配を感じるや、ノエルは活動停止、あたりはしーんとなります。ベッドに戻るとまた始まります。
そのうち私も闇夜に響くその音になれて来ました。それに、10日もすると、だんだん涼しくなって来たし、訓練も軌道にのって、それほど体力を消耗しなくなったのです。もともと私自身が究極の夜行性なのです。2時や3時は平気で起きていられます。
「えーい、もういいわ!かってにがさがさやってれば」
開き直った私は、部屋に持ち込んだPHSで都内の友達に電話をかけました。類は友を呼ぶ。夜型は夜型を呼ぶ。友達もまた、私の電話に充分つき合える能力のある夜行性人間でした。
ミッドナイトコールは盛り上がり、私の声は部屋の外まで聴こえてしまうこともあったようです。
こうして私はアイメイト協会で「電話魔」として名高い人物となったのでした。
それから、話の内容に関して、ある方から質問がありましたので、ここに少し解説を加えさせていただきますね。文才もないのにこういうものを書くから~
まず時間的関係ですが
「4カ月前」とは、この話の最初の場面より4カ月前、つまり1997年4月
のことです。
登場する犬ですが
サリー=イングリッシュセター、雌、1996年1月生
ベル=じゃーまん・ショートヘアードポインター、雌、1996年8月15日

ノエル=ラブラドール・レトリーバー、雌、1995年10月30日生
サリーとベルは、父が飼っていた犬です。どちらも鳥猟犬で、射撃や山鳥猟を趣味としていたワイルドな父は、彼女達をつれて野山を駆け回っていたのですでもそういう仕事とは別に、彼女達はかわいい(本当にかわいい犬種です、推薦します)私の妹でした。
父は心臓病から合併症を引き起こし、足を失う大きな苦しみを経験しましたがなくなった訳ではありません。今ではリハビリを終えて元気にしています。た
だどんなにがんばっても父が犬を飼うことはできないので、サリーとベルはそれぞれの犬種を愛する方の所へ引き取られました。サリーは9匹の赤ちゃんを産んでお母さんになりました。ベルにはその後1度も会っていません。
私は、両親とは別の場所でノエルと二人で暮らしています。一番最初に出てくる「荒れ果てた家」は両親の家です。私はこの日、夏期休かの為、帰って来たのです。母は父の病院へ行っていて、家は空っぽでした。
以上、話そのものより長い説明になってしまいました。
またご不明なてんがありましたら、遠慮なく聞いてくださいね。
続きも読んでいただければ幸いです。
そしてときどーき応援していただければ・・・(^^)。
ノエルの足跡4 ノエル、いよいよデビュー
ノエルの足跡とは

ヒトミ

著者:ヒトミ

東京在住。犬のいない生活なんて考えられない!犬中心の毎日を送っています。趣味はアジリティー(ドッグスポーツ)と写真。

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