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ノエルの足跡4 ノエル、いよいよデビュー

さて、4週間の訓練もいよいよ終わりに近づいて来ました。
もうすぐノエルとの新しい暮らしが始まる!
大きな期待が膨らんでいきます。と同時に、すっかり居心地のよくなってしまったアイメイト協会を去るのが残念な気もしました。
私は訓練中ずいぶんおもしろいこと(ほとんどがただのへま)をやりました。段階が進むごとにテストがあるのですが、二つ目のコースを終えるときはさんざんでした。
ずぶ濡れになって戻って来た私にSさんは言うのです。
「お疲れさま。あれぇ・・・でもずいぶん速かったね」(テストのときは指導員はついてこないのです)
部屋でノエルの体を拭いているとノックが聴こえました。
「AMIさん、さっきのテストだけど、いぬの訓練で出ていた人がね、あなたがコースの折返し地点より一つ前の信号をわたるのを見たって言ってたよ。」
あぁなんと言うこと!!そして私は、さらに強く降り出した雨の中、追試験を受けることになったのでした。
「ごめん、もう1度行かなきゃならなくなっちゃったよー」
それでもノエルはうれしそうに尻尾ふりふり出かけるのでした。
追試験まで受けた私、ところが性懲りもなくまたまたやってしまったのです!
それも卒業テストで!
銀座4丁目から始めて、1丁目の交差点をわたり、出発点の向い側(三越の前)でゴールと言うコースです。人や車が多く、いよいよ社会にのり出して行くんだなという実感があります。
「ではがんばって!」
声に送られ快調なスタート。
「グッド、グッド・・・」
1丁目の交差点に来ました。さああと半分!
信号をわたり始めたとたん、どうやらまだ赤だったことに気がつきました。急いで歩道に戻ります。そして車の流れを確かめて再び歩き出しました。
ところが、説明に聞いていた道とはどうも様子が違うのです。
通りがかりの人にたずねてあぜん!
「三越は反対ですよ」
どうやらさっきあわてて車道から歩道に戻ったとき、方向をまちがえたようで。
どうにかこうにか、人の手を煩わしながらゴールへ到着すると、待っていた人
ら声がかかります。
「お帰りなさーい!どこへ行って来たのー?」
これを聞くと私はほっとしてと、みんなと一緒に笑いだしてしまいました。
こうしてどじばかりやっていた道草AMIも、9月26日には無事に「盲導犬使用者証」をいただいて卒業となりました。ノエルもアイメイト.720のプレートをつけてデビューです。
とは言うものの、ノエルには何がなんだか分かりません。あわただしく荷造り始めた私をひたすら不思議そうに見ているのでした。

※5話はありません

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この記事を書いた人

東京在住。犬のいない生活なんて考えられない!犬中心の毎日を送っています。趣味はアジリティー(ドッグスポーツ)と写真。

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