2016/09/07

ノエルの足跡6 初めての飛行機

9月27日、いよいよ宮崎に帰る日。朝7時半、協会の方やまだ訓練を受けている人たちが玄関で見送って下さいました。空港までは見習い指導員のYさんが一緒に来てくれます。でもそこからは本当にノエルと二人きりです。
お昼前に離陸した飛行機は、海の上をどんどん飛んで行きます。
足元に伏せたノエルは、始めて乗せられたえたいの知れない乗り物に少しおびえているようでした。ときどき体を小刻みに震わせます。
「大丈夫、一緒にノエちゃんのお家に帰るんだよ」
そう言って震える背中を撫でるのですが、足元の床の下からはごうごうと言う音が聴こえます。よりにもよって、初めての飛行機でノエルは、エンジンの真上にステイさせられてしまったのでした。まだ小犬をやっと卒業したばかり、そのうえ人の何倍も鋭い聴覚を持つノエルには、恐くてたまらなかったのでしょう
富士山をすぎ、紀伊半島をすぎて、飛行機はどんどん飛んで行きます。高知県の室戸岬をすぎるころには少しずつ高度を下げ始めました。
エンジンの音がますます強くなります。ふゅるふゅるふゅる・・・
ノエルの背中も、いっそう激しく震えました。
「皆様、まもなく着陸いたします。」
アナウンスが終わるか終わらないうちに、がたーんと音がして機体が滑走路にのりました
そのとき、ノエルは突然跳ね上がり、通路の方へ逃げだそうとしたのです!
あわてて引き戻しましたが、その心臓のばくばくが、私の手にも伝わって来ました。
「怖かったねぇ!よくがんばったよ。もう大丈夫だからね」
尻尾を足の間に丸め込んで座っているノエルに私は言いました。
そして。ふとサリーやベルが家にやってきたときのことを思い出シました。
サリーは宮城県、ベルは島根県からキャリーに入れられて、飛行機を関西空港で乗り継いで送られて来たのです。生後2カ月足らずの小犬にとって、一人で荷物に埋もれるようにしての空の旅は、どんなにか心細かったことでしょう!
ノエルの足跡7 おじいちゃん大好き、でもベッドが怖い
ノエルの足跡とは

ヒトミ

著者:ヒトミ

東京在住。犬のいない生活なんて考えられない!犬中心の毎日を送っています。趣味はアジリティー(ドッグスポーツ)と写真。

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